2010年8月31日火曜日

プログラマの数学

他の本の合間にゆっくりと読んでましたが、やっと終わりました。

私自身はいわゆるプログラマではありませんが、ちょっとしたJavaScriptやFlashのActionScriptは仕事で書きます。
他にも統計処理なんかも興味を持っているのですが、常々思うのは数学の素養が足りないと言うこと。
そんなこともあってこの秋から放送大学に入って数学の勉強をしてみようと思っており、そんな数学熱の高まりを受けてのこの本の選択でした。

この本、タイトルからしてちょっと難しそうな印象ですが、数学読みもの(?)の一種だと思います。読んだら数学力がグングン伸びる、というものではなさそうです。数学的な考え方が紹介されている、そして、プログラマ的な視点から、それらの考え方をどのように役立てていくかのヒントが述べられている、という感じです。特定の言語のチュートリアルではないので、すぐに活かせるサンプルコードが載っているものでもありません。

いってみれば即効性のあるものではないのですが、数学的な考え方にとにかく苦手意識を感じている、プログラマ見習いの方にはオススメです。
だいたい、それほど複雑なプログラムでなければ、高度な数学知識は無くても感覚と力業で解決できることがほとんどで、恥ずかしながら自分もそうやってやってきたクチですが、基本に立ち返って頭の中を整理すると言うことはやはり必要なようです。
ちょっと難解なところは読み飛ばしてしまっているので、またそのうち振り返ってみようと思っています。



深海のYrr(中)・(下)

深海のYrr、読み終わりました。(ネタバレ有り)
長い、ホント長い! 下巻の最後についてる解説によると、ドイツ語版は1000ページ以上、1.1kgだそうだが、もうこれは誰もが認める長さというか。(笑)

全編通して色がきれいな作品なので、映像化してほしいと思っていましたが、ハリウッド映画化も決定しているらしい。しかし、この長さがどうなのか。枝葉の部分をざっくり切り落とせば大丈夫そうだけど、それでこの作品の魅力が伝わるのか。
期待して待ちます。


500ページ以上を割いた序章の上巻とは変わって、中巻ではいよいよ特別スタッフ招集、そして敵の正体も分かってくるなど、やっと盛り上がってきます。
科学者が集まって謎を解明していくと言う流れ、(個人的にはJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」的と思ってますが)ドキドキして好きですね。
このときのポイントはSFならではの嘘科学にどれだけ説得力があるか、出て来た結論が突拍子もなくて面白いか、という点。
たまたま最近、生命の進化についていろいろ見聞きしたりすることが多くてハマっていたので、今回の流れはズッポシ。

欲を言えば、最後あそこまでキャラ死ななくても良いかなぁと思いますね。あと、クロウの手記はちょっと冗長かと思う。
それと、翻訳の問題かもしれないが、リーの口調にちょっと違和感がある。軍人なのになんか変に女らしいというか。

さて、次は黒のトイフェルですか。
…でもその前に少し休もう、長いから。




2010年8月20日金曜日

深海のYrr(上)

長らく寝かせていた「深海のYrr」にやっと手を出しました。

ここ数年のテーマとして、「人気のあるもの(みんなが面白いというもの)はやはりそれなりに面白い」という前提に立ち、なるべく手を出してみようというものがあります。
この本もどこの書店でも平積み、オビにも「ダヴィンチコードを超えた」とかいう謳い文句で、いつか読むリストにずっと入っていました。が、いかんせん分厚いのが3冊となると、最初のスタートがなかなか切れない。今回読むものが一時的に途切れてしまって、読み始めた次第です。

以降若干ネタバレ含むかも知れません。

今、中巻の半分過ぎまで読んだところですが、上巻時点での感想と言えば、やはり長い(笑)。
すごい知識と取材の量がうかがえるのですが、とにかく一つ一つ説明が細かい。状況の描写も生真面目で長い。それが不要かどうかといわれると、よく分からないですね。無かったら別の作品になってしまう。
ただ、同じような展開の繰り返しが何度か有るので、冗長な感じはあるかな。

上巻ではほとんど自体が進展しない、というか、ホントに序章です。とにかく謎だらけ。タイトルの「Yrr」という単語すら本文に出てこない。なんか大変なことが起こってるぞーというだけです。
あとはキャラクターの描写ですね。登場する人物がみな細かく説明される。キャラクター作りはすごい。その作り込まれたキャラクターが不自然な動きをせずに話が展開していくのもマル。

クジラやらクラゲやらゴカイやら、世界中が大変なことになっちゃったまま続くのですが、これ、どうやって解決するのかねぇ?



2010年8月4日水曜日

風よ、万里を翔けよ

これはちょっと前に読んだ本ですが、もうとにかく、誰もにオススメしたい小説です。
とにかくビックリするくらい清々しいエンディング、これに尽きます。

主人公は花木蘭という女性で、ムーランと言った方が有名なのかな。(私はムーラン・ルージュは観てませんが)
実在はしなかった人のようですが、木蘭が、病気の父の代わりに男装して兵役に就いたというのは有名な伝承です。
隋の煬帝の時代が舞台で、こういうときの煬帝は相当の悪役ですから、酷い時代な訳です。木蘭も苦労しますが、もう、途中の悪かったこと全部忘れてしまうくらいのエンディング! 恥ずかしながら、思わず泣きそうになりました。ベタだけど素敵です。

あまりに良かったので、無理矢理妻にも読ませました。(笑)

この本は何度も読みたい。引っ越しの時に本はかなり整理しちゃいましたが、これは取ってあります。

禁断のパンダ 下

読了です。
(ネタバレ含む部分もあります。)

さすが「このミス」の大賞をとっただけのことはあり、個人的には楽しめましたし、続編が読みたくなりました。ただ、内容がちょっとグロいので、そういうのが苦手な人は避けた方が無難なのかな。

キャラクター が関西弁を話します。どっぷり関東人な身としてはこういうのはちょっと苦手。頭に浮かんでくるのが、関西人のまねをした変な関西弁の音になってしまって、急に茶番の用になってしまうんですよね。
まぁ、それは個人の問題。
キャラの魅力としては、警察の青山とか本多はまぁ、普通ですね。
主人公(?)の幸太は、それなりに感情移入できますが、あまり主人公っぽくはないかな。とはいえ、素人がいきなりスーパー推理で事件を解決しちゃうよりは、リアルな主人公と言えるでしょうか。最後、ピンチになっても特に戦ったりしないし、フツーの人です。
中島翁とヴァンサン神父も、イマイチ悪役として弾け切れていないような。
 要するに、総じて 割と普通のというか、逆にリアルと言えるのか、というか、そんな人たちしか出てこない感じ。石国シェフはその中ではキャラが立ってるけど、ストーリーの本線ではないし。

料理の描写は、誰もが言うようにすごい。
料理の知識は全然 ないけど、なんとなく画が浮かんで、美味しいものを食べてる気分になれます。幸太の料理に対する姿勢も好感が持てる。ストーリー的には、事件の解決後に幸太のレストランがどうなったかとか、そういう後日談を期待してたんだけどなぁ。

最後の貴史のくだりは良くあるオチだと思うけど、人の肉というのはストーリーの後味としてはあまりよろしくないですな。コース料理で言えば、デザートがいまいちしっくり来なかった感じなのかなぁ? 作者的にはちょっとスパイス効かせてみたのだろうか。でも、もうちょっとマイルドな方が好みだったな。

なんかこうつらつら書いていると、あまりオススメしてないような感じになっちゃいましたが、どんどん先を読みたくなる展開はマルです。もう1回は読まないでしょうが、続編はいつか読むと思います。




2010年8月3日火曜日

ジェネラル・ルージュの伝説

チーム・バチスタシリーズの速水関連短編三本と、年表などおまけ集。
小説としてのボリューム感はちょっと残念なんですが、ファンなら買うしかあるまい。
特に速水好きならマストバイです。 保存用と2冊買いましょう。(笑)

まず短編1本目。
速水がジェネラル・ルージュと呼ばれるに至った顛末です。
なんとなく語られてはいたけど、こうやってしっかり描かれると嬉しい。
海堂作品でお馴染み(と勝手に思っている)終盤の怒濤の展開は短編でも健在で、救急患者であふれる現場を颯爽と駆け抜ける速水はまさに戦場を駆ける将軍。看護師を仕切る猫田もカッコイイ。
若い速水が覚悟を決めるまで、そして決めてからの展開はさすがに読ませます。
世良先生が再登場するのも個人的には嬉しい。
速水みたいな才能がなくても頑張るこういうキャラが好きです。

2本目。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」を、(名前忘れた)事務局長視点から。
内容的にあまり目新しさはないけど、1本目と比べて速水の年齢の差がうまく表現されていて、凱旋の復習としてよい。過去と現在の相似形というと、スター・ウォーズを思い出しますね。

最後3本目。
速水以後のオレンジ病棟の話だが、これが意外にうまくいっているようで、なんというか読んで安心した。3作の最後を飾るにふさわしいと思った。


あと、用語集とか、作中年表とか、作者の年表とかいろいろありますが、失礼ながらあんま読む気がしません。私は作品を自分で評価したいので、作家自身が作品の解説をしたりするのはあまり見たくないし、年表とかもファンが作るならともかく、オフィシャルで作られるとちょっとねー。そういう舞台裏はかくして置いてもらって、ファンの間でワイワイ語るのが楽しいのではないかと思ってます。

とはいえ、短編3本としても、十分買いの本ですね。


禁断のパンダ 上

宝島の「このミステリーがすごい!」、第6回大賞作品だそうです。

チーム・バチスタを読んで海堂尊にはまった身としては、「このミス」シリーズは他も読んでいかねばなるまいなぁという感じで、次に手に取ったのがこれ。
もっとも、その後の展開を考えてもバチスタほど期待せず、軽い気持ちで読み始めました。

読み始めて最初に感じたのは、料理の描写がすごい! この料理の描写がすごい大賞があれば、大賞受賞でしょう、これ。メチャクチャ美味しそうです。
ミステリーとしてどうか、は、上巻だけでは分からないので保留です。
Amazonの評価では結構低い点がついていますが、まぁ、これがミステリーかどうかはともかく、楽しく読めればそれで良し。(私が言うのは失礼極まりないですが)荒削りな中にも次を読み進めたくなる魅力があります。
「このミステリーがすごい!」とか言われちゃうと、ハードル上がっちゃうのかなぁ。純粋な気持ちで読めば面白いと思いますよ。私は好きです。

彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス

寺田克也さんの表紙の絵にやられました。いわゆるジャケ買いという類のやつです。
で、読んでみたら面白かった、という。

主人公が100年間の人口冬眠から覚めたら、自分の知らないうちに英雄にされてしまっていた、というところまではありがちなんですが、この主人公、結構気が弱い。急に英雄にされて、超困っちゃうわけですね。なんか親しみが持てるではありませんか。

それでいて、戦えば爽快に勝ってしまうところが、エンターテイメントとしてスッキリ読めて素晴らしい。読後感も清々しいわけです。

ミリタリーな知識はない私ですが、艦隊の戦闘シーンは現実とSF的な嘘が程よくミックスされている感じで説得力もあり、空間的なイメージも沸きやすく入り込みやすいですね。

今の時点で5巻まで出てます。一応6巻完結らしいです。6巻がなかなか出ないので、もう一度1巻から読み直すか、考え中です。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

結構売れてるアレです。

ストーリーをして、「酷い」「稚拙」というような評価を下す方が結構いらっしゃるようですが、まぁ、この本のウリってそこじゃないわけですし、良いんじゃないかと思います。
私自身、別にマネジメントが仕事だというわけではないですが、なにかこれは役に立つことも有りそうだなと感じさせる内容になってます。
専門の人はもっと高度な本を読めばいいわけで、何となく面白そうだし話題だから読んでみようかなーと言う程度の軽い気持ちで読めば良いんでしょうね。マネジメントってもっと身近に考えて良いものなのだと気づきました。

なんだかんだ言って売れてるわけで、「売れてるものは理由があるはずだから、手に取ってみて損はない」と思ってます。
これを読んで興味がわき、ドラッカーのマネジメントも買ってしまいました。まだ読んでないけど。

ストーリー展開や文章の質はさておき、私の読者としてのレベルが低いのかどうか、若干感動してしまったのは秘密です。(笑)