2010年10月14日木曜日

永遠の0 百田 尚樹

分厚いです。
スキャンしてiPadで読むようになってから厚さ・重さは気にしてないけど、
紙だと持ち歩くのにちょっと躊躇しそうだな。中身はまぁ、長いけど、サクサク読み進められます。

この小説は、、、良いですね。
戦争を体験した世代が急速に減っている時代ですから、我々はもっとその時代の事を知らないといけません。小説ですから本物の体験談ではないけれども、その分読みやすい。
当時の実際の雰囲気をどれだけ再現しているかは分かりません。しかし、読んでいて納得のいく状況描写だ。
オチはちょっとやり過ぎなのかな。泣ける展開ではあるが、僕としては不要と思う。それを言えば姉の結婚話も同様だけど。

とにかくこれはおすすめで、みんなに呼んでもらいたい本。




2010年10月1日金曜日

陳舜臣 諸葛孔明(上下)

もともと中国好きではあるんだけど、「三国志くん」で興味を持って、でも本伝長いな~、ということでこれを。中心人物がはっきりしている方が読みやすかろうと。

後書きなどによると、リアルな諸葛孔明を書きたかったようです。果たしてその通り。天才軍師として敵軍を次々奇計で破る、みたいなものはないです。
三国志に疎い僕のイメージだけど、ゲーム的な表現では諸葛亮が誤解されているような違和感があって、やっぱり丞相として国政を主に補佐するのがしっくりくるよね。




やついいちろう 三国志くん

正直、三国志のことをあまり知らないんだけど、これは結構楽しめます。

陳舜臣のものがたり史記とか、司馬遼太郎の項羽と劉邦とか、田中芳樹の岳飛伝なんかは結構好きで、中国って面白いんですよね。だけど三国志はちょっと子どものときにブームに乗り遅れた感じがあって、一応北方謙三版は読んだぞ、と言う程度。

この本、芸人らしいおもしろ切り口でよいです。こういう類の本は読んでるうちに飽きが来るんだけど、これは最後まで読めた。ビデオポッドキャストで元々やっていたもので、そちらは一度観たけどそんなに面白いと思わなかったなぁ。なんでだ?




米澤穂信 インシテミル

(ネタバレ含む)

こういうタイプのミステリは、いいよね。(笑)
冒頭に暗鬼館とやらの見取り図が出ている時点で盛り上がります。
しかも廊下がくねくね曲がっていて視界が制限されているという、凶悪な作り。

ガードや食事の仕組みなんかは、今っぽい仕掛け。

特にメッセージせいとかないんで、エンターテイメントとしてさくっと楽しめます。
後日談にもう一癖欲しかったかな。




2010年9月3日金曜日

小説 始皇帝暗殺

チェン・カイコー(でしたっけ?)監督の映画と対をなす小説版です。
(原作なのかノベライズなのか並行で進んだものなのかよく分かりませんが)

中国モノは面白い。始皇帝はネタが豊富ですね。
映画の方は見てないのですが、いかにも映画的な作りだと感じます。ラブストーリー的な要素を中心に映像化したら見栄えのしそうなシーンが続きます。
トントン拍子で話が進みテンポが良いとも言えますが、ページ数の制約なのかキャラクターの気持ちの掘り下げがもっと有っても良いかと思います。始皇帝も燕丹も情緒不安定すぎだろー。(笑)

でも、とにかく始皇帝好きなら楽しめる一冊です。




2010年8月31日火曜日

プログラマの数学

他の本の合間にゆっくりと読んでましたが、やっと終わりました。

私自身はいわゆるプログラマではありませんが、ちょっとしたJavaScriptやFlashのActionScriptは仕事で書きます。
他にも統計処理なんかも興味を持っているのですが、常々思うのは数学の素養が足りないと言うこと。
そんなこともあってこの秋から放送大学に入って数学の勉強をしてみようと思っており、そんな数学熱の高まりを受けてのこの本の選択でした。

この本、タイトルからしてちょっと難しそうな印象ですが、数学読みもの(?)の一種だと思います。読んだら数学力がグングン伸びる、というものではなさそうです。数学的な考え方が紹介されている、そして、プログラマ的な視点から、それらの考え方をどのように役立てていくかのヒントが述べられている、という感じです。特定の言語のチュートリアルではないので、すぐに活かせるサンプルコードが載っているものでもありません。

いってみれば即効性のあるものではないのですが、数学的な考え方にとにかく苦手意識を感じている、プログラマ見習いの方にはオススメです。
だいたい、それほど複雑なプログラムでなければ、高度な数学知識は無くても感覚と力業で解決できることがほとんどで、恥ずかしながら自分もそうやってやってきたクチですが、基本に立ち返って頭の中を整理すると言うことはやはり必要なようです。
ちょっと難解なところは読み飛ばしてしまっているので、またそのうち振り返ってみようと思っています。



深海のYrr(中)・(下)

深海のYrr、読み終わりました。(ネタバレ有り)
長い、ホント長い! 下巻の最後についてる解説によると、ドイツ語版は1000ページ以上、1.1kgだそうだが、もうこれは誰もが認める長さというか。(笑)

全編通して色がきれいな作品なので、映像化してほしいと思っていましたが、ハリウッド映画化も決定しているらしい。しかし、この長さがどうなのか。枝葉の部分をざっくり切り落とせば大丈夫そうだけど、それでこの作品の魅力が伝わるのか。
期待して待ちます。


500ページ以上を割いた序章の上巻とは変わって、中巻ではいよいよ特別スタッフ招集、そして敵の正体も分かってくるなど、やっと盛り上がってきます。
科学者が集まって謎を解明していくと言う流れ、(個人的にはJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」的と思ってますが)ドキドキして好きですね。
このときのポイントはSFならではの嘘科学にどれだけ説得力があるか、出て来た結論が突拍子もなくて面白いか、という点。
たまたま最近、生命の進化についていろいろ見聞きしたりすることが多くてハマっていたので、今回の流れはズッポシ。

欲を言えば、最後あそこまでキャラ死ななくても良いかなぁと思いますね。あと、クロウの手記はちょっと冗長かと思う。
それと、翻訳の問題かもしれないが、リーの口調にちょっと違和感がある。軍人なのになんか変に女らしいというか。

さて、次は黒のトイフェルですか。
…でもその前に少し休もう、長いから。